建設業許可を維持する上で、最も厄介な事態の一つが「営業所等技術者(専任技術者)の不在」です。
常勤役員等(経営業務管理責任者)と同様、専任技術者がいなくなることは許可要件を即座に失うことを意味し、一歩間違えれば許可の取り消しという最悪の結末を招きかねません。
万が一のピンチに直面した際、事業を守るために知っておくべき対策を解説します。
「営業所技術者等(専任技術者)」が不在になった時に許可を守るための緊急対策
営業所技術者等(専任技術者)の急な退職や死亡、病気療養による常勤性の欠如等、 これらは建設業者にとって事業継続を揺るがす重大事態です。
ただ焦って不適切な対応をとると、状況をさらに悪化させてしまいます。
1. 鉄則:空白期間は1日も許されない
まず大前提として、営業所技術者等が不在となる「空白期間」は、法律上1日たりとも認められません。
後任が決まるまで少し時間が空くといった場合でも、前任者の退職日と後任者の採用・就任日は「連続」していなければなりません。これが途切れた瞬間、その業種の許可要件を欠いたものとみなされます。
2. 人的要件が欠けた時の2週間という期限
営業所技術者等(専任技術者)が不在になった場合、以下の手続き期限が定められています。
- 後任がいる場合: 交代から14日以内に変更届を提出する。
- 後任がいない場合: 14日以内に「要件を欠いた旨」の届出をする(または30日以内に廃業届を提出する)。
ここで重要なのは、「何もせずに放置する」ことが最大の不利益を招くという点です。
3. 許可を守るための緊急対策
① 社内で代役を即座に探し出す
資格者に限定せず、実務経験(10年以上など)で要件を満たせる社員がいないか再確認してください。
過去の工事台帳や厚生年金の加入記録を掘り起こすことで、意外な人物が営業所技術者等の要件を満たしていることが判明するケースもあります。
② 「一部業種削除」を選択し、被害を最小限に留める
複数の業種の許可を持っている場合、営業所技術者等がいなくなった特定の業種だけを「一部削除」することで、他の業種の許可を守ることができます。
全業種を道連れにして許可取り消し(不利益処分)を受けるより、一旦一部を返上し、体制を整えてから再度「業種追加」を申請する方が、ダメージを最小限に抑えられます。
③ 自主的な廃業届の提出(不利益処分の回避)
後任がどうしても見つからない場合、行政から「許可取り消し処分」を受ける前に、自ら「廃業届」を提出することが極めて重要です。
- 取り消し処分を受けた場合: その後5年間、許可の再取得ができなくなります。
- 自主廃業した場合: 要件さえ整えば、翌日にでも新規申請を行うことが可能です。
4. 絶対にやってはいけないNG対応
焦るあまり、以下のような行為に手を染めることは厳禁です。
- 退職日を偽って書類を作成する: 虚偽申請となり、重い罰則や許可取り消しの対象となります。
- 不在を隠して500万円以上の工事を受注する: 無許可営業となり、刑事罰の対象となります。
まとめ:リスクを未然に防ぐための交代要員の重要性を理解する
営業所技術者等の不在というピンチを確実に回避する方法は、常に交代要員を用意しておくことです。
1つの業種に対して複数の資格者を配置する、あるいは実務経験者の書類を日頃から整理しておくといった、属人的な体制からの脱却が、いざという時に貴社の事業を守る盾となります。

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